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日外会誌. 100(7): 424-429, 1999


特集

救急医療における最近の進歩

4.重症熱傷患者の管理

慶應義塾大学 医学部救急部

相川 直樹 , 青木 克憲 , 山崎 元靖

I.内容要旨
重症熱傷の治療法の進歩により,高齢者を除けば,体表面積の80%以上の熱傷患者の生存も可能となった.治療成績の向上は気道熱傷や広範囲熱傷患者の呼吸・循環・栄養管理の進歩に負うところが大きい.最近は重症熱傷の病態をSIRSとして捉え,病態の理解に基づく治療法が開発されつつある.循環動態モニタに基づいた輸液療法によりショックや急性腎不全は減少した.広範囲III度熱傷に対しては,早期の熱傷創切除と創閉鎖が広く普及し,III度熱傷の救命率は向上した.ショック期の熱傷患者に早期切除・創閉鎖術が安全に施行されるようになった背景には,全身管理技術の向上と,人工皮膚や培養皮膚などの新しいテクノロジーがある。

キーワード
熱傷, 輸液, 早期切除, 人工皮膚


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