[書誌情報] [全文PDF] (2185KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 100(6): 379-383, 1999


特集

最近の発生学研究が新生児臨床の進歩にもたらしたもの

4.Hirschsprung病(神経堤の発生異常からみたHirschsprung病)

京都府立医科大学小児疾患研究施設 外科

岩井 直躬 , 下竹 孝志

I.内容要旨
Hirschsprung病の原因遺伝子に関する分子遺伝学的研究の現況について,近年急速に解析が進んだGDNF/NTN/Ret complex, EDN3/EDNRB系, SOX10関連遺伝子を中心に,神経堤細胞の発生病理に着目して記載した.Hirschsprung病の遺伝学的素因は,神経堤細胞の発生に関与する発生プロセスを決定する多様な遺伝子の変異に由来するものと考えられる,RET遺伝子等の変異解析によるHirschsprung病の遺伝子診断は,現時点では低い疾患浸透率や複数の修飾因子の存在の可能性などから,特定の表現型としての病態を示す家系などに限定されるものと考えられた.

キーワード
ヒルシュスプルング病, 発生学, 遺伝子変異


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。