[書誌情報] [全文PDF] (1887KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 100(4): 279-281, 1999


特集

外科学 次代への展開

5.臓器移植の現状と将来

京都大学大学院 医学研究科移植免疫医学講座

田中 紘一

I.内容要旨
臓器移植は,病気のため著しくQuality of Life(QOL)を低下させたり,生命を脅かす臓器不全に対する内科的治療の限界を乗り越える治療学として,1980年代に確立された.外科学のなかでまだその歴史は浅いものの急速に展開され,欧米では臓器移植そのものはすでに新しい時代に入っている.これまでは生存成績中心に移植が評価されてきたが,臓器保存法の開発,手術手技および周術期の管理の発達,レシピエントの選択を通じて,各臓器とも移植成績は著しく向上した.この結果,移植医療はQOLと経済効率を,重要視する時代に入っている.このような時代の中で,わが国の脳死移植はようやく第一歩を踏みだしたところである。

キーワード
臓器移植, 免疫抑制剤, 脳死ドナー, 生体ドナー


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。