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日外会誌. 100(3): 232-234, 1999


特集

Barrett食道癌-基礎と臨床-

2.Barrett食道癌

千葉大学 学長

磯野 可一

I.内容要旨
Barrett上皮からの食道癌発生頻度は文献上0~40%の数値があげられている.このことは,下部食道噴門癌の発生母地を推定することは必ずしも容易ではないことを意味する.
しかし,Barrett食道の中でも, specialrized colummar epitteliumといわれるものは,腸上皮化生を伴い,dysplasiaを伴っており,metaplasia-dysplasia-carcinoma sequenceの存在を立証するものといえる.
更に最近の分子生物学的研究でも,Barrett上皮の悪性化へのpotentialityの高いとする論文が多い.
教室で切除された9例のBarrett食道癌について検討した結果:①手術年齢は63.8歳(39歳~82歳),②下部食道に好発,③男性:女性=2:1,④深達度,リンパ節転移は多岐に亘る,⑤深達度でも根治手術が施行出来たものには,長期生存例が得られた.などがまとめられる。

キーワード
Barrett食道, Dysplasia, 前癌性病変, 予後

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