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書誌情報]
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日外会誌. 99(12): 865-867, 1998
症例報告
虫垂茎捻転をおこした虫垂原発線維性組織球性腫瘍の一例
I.内容要旨症例は74歳男性,右下腹部痛を主訴に1998年2月13日に当院受診,入院.腹部エコー,CT検査にて腹腔内腫瘍によるsubileusと診断.
1998年2月25日に手術を施行.開腹すると腹腔内には200mlの血液と凝血塊を認め,さらに虫垂先端に鶏卵大の腫瘍を認め,しかも,虫垂が茎捻転をおこし,腫瘍は鬱血をおこしていた.そのために腫瘍表面より出血していた.術式としては虫垂切除術を施行した.病理組織所見では,虫垂先端より発生し粘膜下腫瘍の形態をとり,腫瘍細胞は線維芽細胞様の紡錘形細胞と組織球様類円形細胞の増生を認めた.免疫組織学的検索にて各種組織球系マーカーが陽性を示しhistiocytic originの腫瘍と考えられた、しかし,悪性線維性組織球腫といえるほどの多形性,細胞異型,核分裂像は認められず,良悪境界型の線維性組織球性腫瘍と診断された.以上より,虫垂茎捻転をおこした虫垂原発の線維性組織球性腫瘍の症例は極めて稀であり報告する.
キーワード
虫垂, 線維性組織球性腫瘍, 茎捻転
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