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日外会誌. 99(7): 415-418, 1998


特集

大腸癌:浸潤・転移の基礎と臨床

4.大腸癌転移におけるインテグリン機能調節

札幌医科大学 第1内科

今井 浩三 , 伊東 文生 , 日野田 裕治

I.内容要旨
細胞接着調節因子(CAR)はインテグリン依存性の細胞接着を調節する分子である.われわれは大腸癌の転移にCARが関与している可能性について検討するため,CAR発現ベクターをCARを発現していないHT-29細胞に導入した.ヌードマウスを用いた実験では,CARを導入したHT-29細胞は著明に転移能が低下することが明らかとなった.
また,実際のヒトの腫瘍におけるCAR発現を半定量RT-PCRにより検索し,実験上のデータが実際のヒトの腫瘍でも有用であるかを検討した.その結果,CARの発現低下が大腸癌の進展と転移において重要な役割を果たしていることが示唆された.

キーワード
インテグリン, Cell Adhesion Regulator (CAR), 細胞接着, 転移


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