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日外会誌. 99(5): 279-284, 1998


特集

呼吸器悪性腫瘍の最新の治療方針

1.非小細胞肺癌に対する外科,免疫療法

1) 千葉県立がんセンター 呼吸器外科
2) 千葉大学 肺癌研究施設外科

木村  秀樹1) , 岩井 直路1) , 鈴木 実2) , 高橋  好行2)

I.内容要旨
原発性肺癌の切除成績は他の臓器の腫瘍に比べ不良である.これは完全切除できたと考えられる症例でも,すでに20%は微小転移がリンパ節や骨髄に形成されており遠隔転移を起こすためと考えられる.われわれは,外科療法,化学療法に養子免疫療法を加えた集学的療法により,これら微小遠隔転移による再発を抑制し,肺癌術後成績の改善を目的として,無作為比較試験をおこなった.
IL-2, LAK細胞による術後免疫化学療法の生存率は対照群のそれに比べて,有意の差で良好であった.従来までのLAK療法は他の治療では治る見込みのない末期癌患者に,腫瘍縮小効果を目的に施行してきたが,われわれは,あくまで免疫療法は他の治療の補助として用い,比較的状態の良好な術後患者を対象とし,術後生存率を効果判定に用いた.
IL2, LAK細胞による養子免疫療法は,術後再発抑制と成績の向上に有用であると考えられた.

キーワード
肺癌, 外科治療, IL-2, LAK 細胞, 養子免疫療法, アジュバント療法

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