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日外会誌. 99(2): 84-89, 1998


特集

心臓再手術の現況

6.単心室,三尖弁閉鎖症の再手術-Fontan手術について-

大阪大学 医学部第1外科

松田 暉 , 明渡 寛 , 大竹 重彰 , 福嶌 教偉 , 門場 啓司

I.内容要旨
三尖弁閉鎖症に対し,Fontanが機能的根治術としての右心バイパス手術に成功して以来約30年が経過した.この間その手術適応も,当初の三尖弁閉鎖症から単心室を始めとする解剖学的根治術が困難な症例へと適応拡大され,多くの複雑心奇形患者に福音をもたらして来た.その術式も当初は右房肺動脈吻合であったが,大静脈肺動脈直接吻合へと改良が加えられてきた.手術適応に関しても当初適応外とされてきた症例での成功例も多く報告されるに至っている.一方,術後長期生存例が増加すると共に,遠隔期における問題点も明らかに成りつつあり,再手術症例も経験するに至っている.Fontan手術後における再手術ならびにカテーテル治療を含めたre-interventionにつき,我々の教室における経験を踏まえ,文献的考察を加え概説する.

キーワード
単心室, 三尖弁閉鎖症, Fontan手術, 再手術

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