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日外会誌. 98(11): 926-931, 1997


特集

逆流性食道炎・最近のトピックス

3.逆流性食道炎の内視鏡分類と新しい展開

東海大学 医学部外科

幕内 博康 , 島田 英雄 , 千野 修 , 西 隆之 , 田仲 曜 , 大芝 玄

I.内容要旨
本邦で増加しつつあると言われている逆流性食道炎の内視鏡診断と内視鏡分類について述べた.
内視鏡診断を行うにあたっては,食道炎の種類(色調変化型,びらん潰瘍型,隆起肥厚型),食道炎の程度(長軸方向の長さ,周在にしめる割合と癒合の有無),食道炎の臨床病期(活動期,治癒期,瘢痕期),その他の付帯事項(狭窄,Barrett食道,など)を診断する必要がある.また,できる限りヨード染色を併用することが望ましい.
ロサンゼルス分類は1994年第10回世界消化器病会議で提案されたもので,粘膜傷害の程度によりgrade AからDの4段階に分類され,だれにでも簡便に行い得て,診断医による差が小さくなることを目的としている.
食道疾患研究会の食道炎委員会でも新分類が提唱された.JSED’96分類は,色調変化型の食道炎を加え,さらに縦軸方向の長さと周在にしめる程度により3段階に,食道炎の認められないgrade 0を加えて, grade 4まで5段階に分類されている.日本の実情に合った良い分類で,ロサンゼルス分類とも互換性もある.
国際食道疾患会議からはAFP分類が提案され,anatomy,function,pathologyの3項目からなり,外科的治療の指標となることを目的としている.
各分類の詳細につき解説し,逆流性食道炎の内視鏡診断における注意点につき述べた.

キーワード
逆流性食道炎, 内視鏡診断, ロサンゼルス分類, 食道疾患研究会(JSED'96分類), AFP分類

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