[書誌情報] [全文PDF] (1494KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 98(11): 922-925, 1997


特集

逆流性食道炎・最近のトピックス

2.診断法の新しい展開

東北大学 医学部総合診療部

本郷 道夫

I.内容要旨
逆流性食道炎は食道内酸逆流によって起こる下部食道粘膜の消化性炎症を示すものである.また,食道内酸逆流は粘膜刺激による自覚症状あるいは咽喉頭-口腔への逆流あるいは気道系への誤嚥による逆流関連症状を引き起こす.食道内酸逆流によって起こる病態を,食道炎を含めて「胃食道逆流症」と呼ぶ.食道内pHモニタリングは食道内酸逆流を半定量的に観察する方法である.ほかに,透視や超音波を利用した逆流現象の観察,食道内圧や胃排出能検査による逆流に関連した病態の観察が診断に有用である.患者の自覚症状の判定は内視鏡所見に乏しい逆流症の場合に特に有用となる.すなわち,酸分泌抑制剤による診断的治療,食道内酸潅流による症状誘発試験などのほか,症状が日常生活に及ぼす影響を評価することの重要性が認識されるようになってきている.

キーワード
逆流症, GERD, pHモニタリング, 逆流性食道炎


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。