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日外会誌. 97(7): 515-519, 1996


特集

閉塞性動脈硬化症

血管造影

北海道大学医学部附属病院 循環器外科

安田 慶秀 , 村下 十志文

I.内容要旨
血管撮影は,造影剤の進歩とDSAの登場によって1980年代半ばから今日にかけて大きく変化してきた.現在使用されている造影剤の大半は非イオン性造影剤であり,これによって造影剤注入時の血管拡張や熱感,疾痛が著しく軽減し,患者は検査時の苦痛から解放され,重篤な合併症も減少している.しかし,造影剤による副作用は依然として残っており,早期合併症のほか,遅発性副作用についても十分な認識をもつことが必要である.技術的にはDSAによってカテーテル径の細径比が可能となり,血管撮影の侵襲が軽減され,外来での血管撮影が可能となってきた.診断部門の専門化・分化が進むなかで下肢血管撮影検査は放射線科で行うことが多くなっている.閉塞性動脈硬化症の血管撮影は決して簡単な検査ではなく,病態の正確な理解と解剖学的な知識が必要である.施行にあたっては血管外科医,放射線科医が密接に連絡をとり,最小限の侵襲で無駄のない検査を行うべきである.

キーワード
閉塞性動脈硬化症, 血管撮影, DSA, 血管造影剤

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