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日外会誌. 97(3): 234-239, 1996


特集

虚血性心疾患における治療の選択

LaserによるTransmyocardial Revascularization(TMR)の適応,手技,成績と将来の展望

神戸大学 医学部第2外科

岡田 昌義

I.内容要旨
近年,動脈硬化に起因する虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症が急増している.とくに前者の虚血性心疾患に対しては,目下balloonによるPTCAやstentによるendovascular interventionに高い関心が払われている.ところがPTCA実施症例の30%に再狭窄の発生することが統計上明かになっているのが現状である.これらの症例の中には再発を繰り返し,あるいは冠動脈が全体的に狭小となって外科治療の代表とされるCABGの実施が不可能なケースに遭遇することがある.
このような虚血性心疾患の末期的症例に対する対策として,著者らは左心室壁にレーザーで心筋貫通孔を作成し,左室腔内の動脈血を虚血心筋に供給する画期的な手技を開発した.CO2レーザーを用いる基礎的研究で心筋貫通孔は3年間という長期にわたり開存し,動脈血を虚血心筋内に供給する血液の導管として十分にその機能を発揮しているという事実を立証し,臨床例に応用した.直達式心筋内血管新生法に関する基礎的並びに臨床的研究について,自験例を中心に論述した。

キーワード
末期的虚血性心疾患, CO2レーザー, Transmyocardil revascularization(TMR), 心筋貫通孔, Endovascular intervention

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