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日外会誌. 97(3): 197-201, 1996


特集

虚血性心疾患における治療の選択

虚血性心疾患におけるlnterventional Therapyの適応と限界

社会保険小倉記念病院 副院長

延吉 正清

I.内容要旨
虚血性心疾患におけるInterventional Therapyの適応は拡大されてきており,当院では3枝疾患も多く行われているが,1枝,2枝疾患に比し3枝疾患の成功率はやや低く,合併症も多いので,3枝疾患のPTCAを行う場合には,strategyを十分検討して行う必要がある.また,PTCAには急性冠閉塞,バルーンでは十分拡大できない病変,完全閉塞の低成功率や再狭窄という問題がある.これに対してnew deviceが出現し,かなりの問題に対して解決してきている.特に冠動脈ステントは急性冠閉塞よりの離脱や切迫閉塞に対して極めて有用である.また一部のステントは再狭窄を予防する効果がある.また,ロータブレーターはバルーンでは拡大できない病変(non-dilatedlesion)も拡大でき,今までPTCAが不可能であった病変にもできるようになってきた.new deviceは現在のところDCA,TEC,ステント,ロータブレーター,レーザー冠動脈形成術など多くがあるが,全てPTCAの問題を解決していない.そのためnew deviceの選択には十分な知識をもった上で使用する必要がある.
現在Coronary interventionの限界は,慢性完全閉塞の成功率をいかに上げるかであることと,再狭窄の予防をより非侵襲的な方法(薬物)で行うことが出来るようになると思われる.

キーワード
再狭窄, DCA, ロータブレータ, ELCA (エキシマレーザー), ステント


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