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日外会誌. 97(2): 131-139, 1996


特集

外科と糖鎖抗原-癌関連糖鎖抗原の意義-

細胞接着分子としての糖鎖抗原

愛知県がんセンター 第2病理学

神奈木 玲児

I.内容要旨
細胞表層糖鎖の一部は細胞間の相互識別分子であり,細胞接着活性を持っている.とくに,現在広く腫瘍マーカーとして応用されているシアリルLea,シアリルLex糖鎖は,セレクチンと呼ばれる細胞接着分子との結合活性を有し,血行性転移において,癌細胞と血管内皮細胞との接着に関与する.本稿では,この糖鎖 セレクチンを介した細胞接着機構を概説し,古典的な細胞接着分子であるインテグリンとの関連性と,癌細胞でこれら糖鎖の合成亢進をもたらす糖転移酵素異常について考察した.

キーワード
シアリルLea, シアリルLex, セレクチン, 糖転移酵素


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