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日外会誌. 96(12): 811-814, 1995


症例報告

三尖弁閉鎖症 (Ic 型) に対する幼児期早期TCPCによる一治験例

山形大学 医学部第2外科

箕輪 隆 , 折田 博之 , 深沢 学 , 広岡 茂樹 , 成毛 佳樹 , 鷲尾 正彦

(1995年4月25日受付)

I.内容要旨
生後3カ月時に肺動脈絞扼術(PAB)を施行された三尖弁閉鎖症(Ic型)の1歳女児に対し,fenestrated total cavopulmonary connection(TCPC)を施行した.術前,正常洞調律で軽微な房室弁逆流を認めた.PAB前後の圧較差は90mmHg,肺血管抵抗係数は2.14単位・M2,中田のPA Indexは644mm2/M2であった.手術は軽度低体温体外循環下に行われ,GoreTex人工血管に2.7mmの開窓をしたバッフルを用いて,心房内トンネルを作成,上大静脈を切離し肺動脈にその切断端をそれぞれ吻合した.術直後CVPは18mmHgであったが,術後6時間目には11mmHgまで低下し,以後順調な経過をたどった.
我々は三尖弁閉鎖症例に対し,乳児期後期にfenestrated TCPCを考慮して行く方針である.

キーワード
fenestrated total cavopulmonary connection, 三尖弁閉鎖症, 乳児期手術


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