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日外会誌. 95(9): 712-715, 1994


症例報告

肝内胆管癌に生じた肝気管支瘻の1例

国立療養所兵庫中央病院 外科
神戸大学 医学部第2外科
神戸大学 医学部第1病理

安福 正男 , 山本 元 , 山本 英博 , 青垣内 龍太 , 笹田 明徳 , 埴岡 啓介

(1993年5月12日受付)

I.内容要旨
肝気管支瘻は,難治性の咳嗽を来たす稀な病態である.今回我々は,肝気管支瘻を生じた肝内胆管癌の1例を経験した.症例は49歳女性で咳嗽を主訴として来院した.CT等で肝膿瘍を疑い,経皮的穿刺を試みたところ,肝気管支瘻の存在を証明すると同時に,生検にて肝内胆管癌が判明した.肝右葉切除,右肺下葉切除,横隔膜合併切除を行い,咳嗽は消失した.術後40日目に腹腔内出血で死亡したが,極めて稀な病態と考えられるので報告する.

キーワード
肝気管支瘻, 肝内胆管癌, 肝内結石症, 肝膿瘍

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