[書誌情報] [全文PDF] (1673KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 95(8): 533-535, 1994


症例報告

放射線治療17年後に著しい肝萎縮を来した1例

神戸大学 医学部第1外科

福本 巧 , 具 英成 , 斎藤 洋一

(1993年3月25日受付)

I.内容要旨
症例は44歳女性,1975年に他院にて肝門部胆管癌の診断で右側肝門部に5,000radsのコバルト60の照射を受けた.17年後右季肋部の鈍痛を自覚し精査を受けた.CTにて肝右葉の著明な萎縮と同部の腫瘍性病変を認め,肝細胞癌の診断の下に1991年11月右3区域切除を施行した.開腹時,右葉は手拳大に萎縮し左葉の著しい肥大を認めた.本例は当時の肝シンチグラフィー上,右葉の欠損像を認め放射線肝炎が存在したと考えられる.今回みられた右側肝葉の著しい萎縮は肝硬変による変化とは異なっており放射線照射による肝臓への長期的影響を示唆していると考え報告した.

キーワード
放射線肝炎, 肝萎縮

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。