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日外会誌. 95(4): 259-262, 1994


原著

DNA ploidy pattern からみた胆管癌の予後

秋田大学 医学部第1外科

佐藤 泰彦 , 田中 淳一 , 関 仁史 , 加藤 裕治郎 , 梅澤 昭子 , 小山 研二

(1992年12月1日受付)

I.内容要旨
胆管癌の核DNA ploidy patternと予後との関係を明らかにすることを目的とし,胆管癌33切除例のパラフィン包埋組織から癌細胞を分離し, Flow Cytometryを用いて核DNA量を測定した. DNA ploidy pattern別の頻度はDNA diploidyが13例 (40%), DNA aneuploidyは20例 (60%) で, このうち異なる複数のDNA indexを示すDNA heterogeneityは12例であった. DNA ploidy patternと臨床病理学的因子との比較ではより高齢のものに,部位別では中・下部よりも上部のものに, stage別ではより進行したものにDNA aneuploidyの頻度が高い傾向にあったが,いずれの因子も有意な相関は認めなかった.生存曲線の比較ではDNA diploidyはDNA aneuploidyよりも有意に予後良好であり (p<0.01), DNA ploidy patternはstageとともに重要な予後規定因子であった.DNA aneuploidyのうちDNA heterogeneityを認めるものと認めないものとの比較では予後に差を認めなかった.また,治癒切除例のみの検討ではDNA diploidyの5生率が100%であるのに対し, DNA aneuploidyは4年以上生存を認めなかった (p<0.02).以上,胆管癌DNA ploidy patternは予後を規定する重要な因子であることを示した.

キーワード
胆管癌, DNA ploidy pattern, Flow Cytometry, 予後規定因子

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