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日外会誌. 94(7): 755-757, 1993


症例報告

大腸癌を合併した非定型 Fabry 病の1例

1) 東京医科大学 外科学教室
2) 東京医科大学 第2病理学教室

日馬 幹弘1) , 木村 幸三郎1) , 小柳 泰久1) , 土田 明彦1) , 吉松  昭彦1) , 海老原 善郎2)

(1992年1月13日受付)

I.内容要旨
比較的稀な先天性糖脂質代謝異常であるFabry病に特徴的な被角血管腫, 角膜混濁等の症候を欠如する非定型Fabry病と診断され, その加療中, 大腸癌を発見され根治手術の施行できた1例を経験したので報告する.症例は50歳の男性, 安静時の動悸, 胸痛を訴えて当院内科にて心臓ペース・メーカーにて加療中, 白血球中の酵素学的検査にてFabry病と診断された.排便困難, 下腹部痛を訴え, 注腸にてS状結腸癌が発見され根治手術が施行され, 3年を経過し全く再発の傾向はみとめていない.Fabry病は腸病変を伴うことが多いが, 癌を合併した報告は国内外にても認められず極めて貴重な症例と考えられる.

キーワード
非定型 Fabry 病, 大腸癌, 消化管病変腎

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