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日外会誌. 94(7): 751-754, 1993


原著

下肢 Buerger 病の血行再建成績

旭川医科大学 第1外科

和泉 裕一 , 笹嶋 唯博 , 稲葉 雅史 , 森本 典雄 , 郷 一知 , 久保 良彦

(1992年2月26日受付)

I.内容要旨
1976年11月から1990年8月まで教室で経験した下肢Buerger病の血行再建例94例108肢について術式, 使用代用血管, 累積開存率, 喫煙の有無などから成績を検討した.高位型Buerger病では, 腸骨動脈およびその近傍に吻合部を置いた症例の成績は極めて不良であり, また大動脈ー大腿動脈バイパスの5年累積開存率が88.2%であることから, 閉塞が小範囲であっても大動脈ー大腿動脈バイパス術を選択すべきであると考えられた.末梢型Buerger病では, 自家静脈以外の代用血管を用いたバイパス成績は不良であったが, 自家静脈を用いたバイパス成績は, 5年累積開存率が64.4%であった.また, 術後禁煙群の5年累積開存率は73.3%であり, 喫煙群の32.9%にくらべ有意に良好な成績であった.可能な限り自家静脈グラフトを使用したうえで, 術後厳密に禁煙が守られるならば, Buerger病においても良好な開存成績が得られると考えられた.

キーワード
Buerger 病, 自家静脈グラフト, 喫煙

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