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日外会誌. 94(6): 655-657, 1993


症例報告

Venous aneurysm の 1例

広島大学 医学部第1外科

林 載鳳 , 石原 浩 , 浜中 喜晴 , 末田 泰二郎 , 四方 裕夫 , 松浦 雄一郎

(1992年1月30日受付)

I.内容要旨
稀な上肢のVenous aneurysm (VA)の1例を経験した.症例は70歳の女性で,右肘部の軟らかい腫瘤を主訴に来院した.血管造影で静脈との交通が確認され,摘出術を行った.組織学的には内皮の外側にあるべき弾性線維層はほとんど消失しており,僅かばかりの平滑筋と外膜線維が認められた.先天性の静脈壁の脆弱性が成因と考えられた. VAは種々の点で下肢静脈瘤と異なる全く別の疾患であり,嚢胞状拡張を示すI型VAと紡錘状拡張を示すII型VAに分類できた.

キーワード
Venous aneurysm, 静脈性血管瘤


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