[書誌情報] [全文PDF] (1292KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 94(6): 648-651, 1993


症例報告

肋骨に発生した aneurysmal bone cyst の手術経験

島根医科大学 第1外科

中山 健吾 , 具 光成 , 山内 正信 , 岡田 圭司 , 佐々木 哲也 , 山田 公彌

(1991年12月19日受付)

I.内容要旨
肋骨に発生するaneurysmal bone cystは稀であり,本邦での報告は16例にすぎない.われわれは43歳男性, 49歳の女性の本症を経験した. ともに右第9肋骨に発生し,発見動機は疼痛であった.画像検査において,肋骨X線像では骨皮質のbolw out appearance, CT検査において内腔のhoneycombpattern, さらに99mTc骨シンチでの強い集積像を特徴とした.治療法は2症例ともに腫瘍を中心に肋骨切除を施行し,病理組織学的検討により, aneurysmal bone cystと診断された.本疾患は,第1に急速に拡大し,椎体の破壊,肺の圧迫症状をきたす症例が報告されていること,第2に肋骨原発の悪性腫瘍との鑑別が,画像検査,病理組織学検査上困難なことが多いため, excisional biopsyとしての肋骨切除術が第ー選択の治療方針と考える.

キーワード
aneurysmal bone cyst, 肋骨, 肋骨切除術


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。