[書誌情報] [全文PDF] (325KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 94(6): 621-624, 1993


原著

漏斗胸合併心疾患の一期的手術症例における術中術後管理の検討

東京女子医科大学 第1外科

足立 孝 , 板岡 俊成 , 毛井 純一 , 田原 士朗 , 神楽岡 治彦 , 横山 正義 , 新田 澄郎

(1992年1月16日受付)

I.内容要旨
外科的矯正を必要とする漏斗胸患者ではときに外科的心疾患を合併しており,一期的および二期的手術の適応が問題となる. 1988年末までの10年間に2,015例の漏斗胸手術を行い, 12例(0.6%) に外科的心疾患を合併し胸骨翻転術 (Sternal turnover :以下STO) と開心術の一期的手術を行った.
STOと単弁置換術を一期的に行った5例と単弁置換術のみを行った10例で手術時間出血量,輸血量,人工呼吸器装着時間, ICU滞在時間等について比較検討を行った.その結果,一期的手術群で手術時間: 433±66.3 (Mean±SD) 分,出血量: 3,180±1,867ml, 輸血量: 4,836±2,277mlと若干の延長および増加傾向であったが,術後呼吸管理, ICU滞在時間は単弁置換術との間でほとんど差を認めなかった.一期的手術は,胸骨および肋軟骨部分 (Plastron) をenblocとして取りだし開心術へと移行するため,術視野の良さや止血の容易さなど術中術後管理の面からも有用であると考えられた.

キーワード
漏斗胸合併心疾患, 胸骨翻転術 (STO) , Plastron, 一期的手術, Marfan 症候群

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。