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日外会誌. 94(5): 530-533, 1993


症例報告

右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術と胆嚢摘出術
―1期的手術の2治験例―

厚生連広島総合病院 心臓血管外科

中尾 達也 , 川上 恭司

(1991年9月26日受付)

I.内容要旨
右胃大網動脈(GEA)を用いた冠動脈バイパス手術(CABG)の術前に発見された胆石症2例に対し, CABGと胆摘を1期的に施行し, 良好な結果を得た.今回, 我々が経験した同時手術は, 麻酔, 感染等の手術合併症の危険性が1回となるうえに, 開腹時, GEAを容易に利用出来る事から非常に有用な方法と思われた.さらに, 2例とも, 手術時間, 経口摂取開始時期, 入院期間のいずれに関しても胆摘による手術侵襲はほとんどなく, 今後とも, GEAを用いたCABG術前に発見された胆石症に対しては, 1期的手術を行う方針である.

キーワード
冠動脈バイパス手術, 胃大網動脈グラフト, 胆嚢摘出術

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