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書誌情報]
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日外会誌. 94(3): 297-301, 1993
原著
弓部大動脈瘤手術の補助手段としての脳分離体外循環
I.内容要旨1986年7月から1991年4月までに脳分離体外循環 (SCP) のもとに手術を行った大動脈瘤あるいは大動脈解離20例を対象として, SCP法の脳保護の点からみた安全限界について検討した.SCPの方法は, 両側の浅側頭動脈圧をモニターし, 右腋窩動脈, 左頸動脈, 大腿動脈からそれぞれ別個のポンプを用いて送血した.右頸動脈領域への送血量は5.2±1.4ml/分/体重kg, 右浅側頭動脈圧は54.2±10.5mmHg, 左頸動脈領域への送血量は平均5.0±1.9ml/分/kg, 左浅側頭動脈圧は平均55.5±11.3mmHg, 最低鼻咽頭温20.5±1.5℃で, SCP時間は159.4±40.7分であった.手術成績は, 術後30日以内の死亡2例, 31日以降3例で, 左総頸動脈へのカニューレ挿入に難渋した1例に脳合併症を認めた.浅側頭動脈圧50mmHg, 左右総頸動脈への送血量各々5~6ml/分/kg, 鼻咽頭温20℃で行うSCPは, 2時間までは安全に脳機能を維持することができた.
キーワード
脳分離体外循環, 弓部大動脈瘤, 低体温体外循環
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