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日外会誌. 93(5): 547-549, 1992


症例報告

原発性食道悪性リンパ腫の1例

社会保険中京病院 外科

小木曽 清二 , 石榑 秀勝 , 松田 真佐男 , 井垣 啓 , 小谷 勝祥 , 伊藤 正光

(1991年3月5日受付)

I.内容要旨
消化管に悪性リンパ腫が発生することは比較的少なく,なかでも食道に原発することは極めてまれである.今回われわれは,食道に発生した悪性リンパ腫の1切除例を経験したので報告する.
症例は69歳,女性で,主訴は心窩部つかえ感.食道造影検査にて腹部食道に狭窄をともなった不整な潰瘍性病変を認めた.食道内視鏡検査では門歯から30cmの部位に亜全周性の潰瘍性病変を認め,生検では未分化癌あるいは悪性リンパ腫と診断した.胸部中下部以下の食道および胃上部切除術を行った.腫瘍は6.5×6.0cm, 乳白色の平皿状で, Diffuse malignant lymphoma, large cell typeであった. リンパ節転移は陰性で,骨髄生検でも異常を認めず,食道原発と考えられた.患者は術後4年6カ月健在である.

キーワード
食道, 悪性リンパ腫


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