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日外会誌. 93(4): 445-447, 1992


症例報告

手掌動脈瘤の1治験例

川口市民病院 外科
*) 川口市民病院 病理
**) 日本大学 医学部第2外科

陸川 秀智 , 工藤 哲也 , 高橋 薫 , 村松 高 , 中里 龍生 , 坂川 一美*) , 瀬在 幸安**)

(1990年12月6日受付)

I.内容要旨
四肢末梢の動脈瘤は発生頻度が低く,とりわけ手掌動脈瘤は極めてまれで,本邦報告例もすくない.今回,手掌動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は12歳男児で,約6カ月前より左手掌の腫瘤に気付くも放置,増大傾向,疼痛が出現したために来院した.小指球に拍動性腫瘤を認め, エコー検査にて手掌動脈瘤と診断した.血管造影では尺骨動脈から浅掌動脈弓に移行する部位に動脈瘤が認められた.
手術は動脈瘤を切除し,動脈血行再建は,端々吻合にて再建した.病理学組織学的所見では真性動脈瘤であった.手掌動脈瘤の診断治療の指針の決定にエコー, ドプラー検査が有用と考えられた.

キーワード
手掌動脈瘤, 血行再建, エコー検査


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