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日外会誌. 92(12): 1719-1722, 1991


原著

内腸骨動脈瘤を伴った腹部大動脈瘤の手術術式とその成績
特に虚血性大腸炎と性機能障害に関して

金沢大学 医学部第1外科

浦山 博 , 上山 圭史 , 高橋 敦 , 加藤 明之 , 徳楽 正人 , 土田 敬 , 渡辺 洋宇

(1990年11月10日受付)

I.内容要旨
内腸骨動脈(IIA)瘤を伴った腹部大動脈瘤の特に腸管虚血,性機能障害に関して検討した.IIA瘤を伴った腹部大動脈瘤22例を対象とした.年齢は51~79歳であり,男性19例,女性3例であった.IIA瘤は片側13個,両側18個であり,瘤の最大径は3.0~7.5cmであった.瘤破裂7例,待機手術15例であり,全例でYグラフト移殖を行った.IIA瘤の片側例では瘤切除・IIA再建を2例に行い,残りの11例では瘤曠置を行った.両側例では一側のIIA再建,他側の瘤曠置を1例に行ったが,残りの8例では両側のIIA瘤曠置を4例,腹部大動脈瘤を含めての瘤曠置を4例に行った.下腸間膜動脈再建は10例に行った.術後観察期間は平均6.2年であった.術後2例に腸管壊死,4例に下痢・粘液便を認めた.術後勃起障害をIIAが片側のみ血行再建された例の33.3%,両側とも血行再建されなかった例の50%に認めた.曠置した瘤はすべて血栓化し瘤再発は認められなかった.

キーワード
内腸骨動脈瘤, 虚血性大腸炎, 性機能障害


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