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日外会誌. 91(11): 1749-1751, 1990


症例報告

胃大網動脈を用いた肝動脈再建法(上部胆管癌に対して)

国立長崎中央病院 外科
*) 国立長崎中央病院 胸部外科
*) 長崎大学 医学部外科学第2教室

草野 敏臣 , 古川 正人 , 中田 俊則 , 草場 英介*) , 山内 秀人*) , 角田 司*) , 土屋 涼一*)

(1989年10月19日受付)

I.内容要旨
上部胆管癌の2例に,肝門部切除と右肝動脈切除を行い,右肝動脈の再建に胃大網動脈を用い良好な手術成績を得た.
胃大彎に沿って胃周囲脂肪組織および右胃大網動脈を大網の一部と共に遊離し,肝側末梢右肝動脈と全周結節縫合によって端々あるいは側々に吻合した.術後の肝機能の変動は軽度で,術後3から5日目以後は,改善傾向にあった.術後の肝動脈造影では,右胃大網動脈から右肝動脈への血流が明確に描出され,吻合部の開存が確認された. 
本法は,侵襲が少なく簡便であり,上部胆管癌切除時の肝動脈再建法として優れていると思われた.

キーワード
肝動脈再建, 胃大網動脈, 上部胆管癌

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