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日外会誌. 91(3): 434-437, 1990


症例報告

胆囊原発 mucinous cystadenocarcinoma の1例

永寿総合病院 外科

中川 基人 , 松本 隆博 , 勝呂 芳正 , 鷹栖 昭治

(1989年4月6日受付)

I.内容要旨
胆囊原発のmucinous cystadenocarcinomaの1例を経験した.症例は腹部腫瘤を主訴とする69歳の女性で,肝硬変,糖尿病,高血圧にて内服治療中であった.超音波,CTで胆囊は内部に結石を含む多胞性の腫瘤として認められ,血管造影ではこの腫瘤が腫瘍性病変の可能性は低いと考えられた.以上より慢性胆囊炎,胆石症と診断し,また食道静脈瘤をも認めたため胆摘,脾摘,胃上部血行郭清,食道離断,幽門形成術を施行した.肉眼所見では,腫瘤は多胞性で胞内には粘液が充満していた.病理組織学的には胆囊原発のmucinous cystadenocarcinomaであった.
mucinous cystadenocarcinomaが胆囊に原発することは非常に稀であり,画像診断及び治療方針に関してbiliary cystadenocarcinomaとの比較から若干の知見を得たので報告する.

キーワード
mucinous cystadenocarcinoma, 胆囊癌


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