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日外会誌. 91(2): 287-289, 1990


症例報告

閉塞性黄疸を呈した多発性肝腎囊胞症の1例

山形大学 医学部第2外科
1) 総合保原中央病院 外科

倉岡 節夫 , 山際 岩雄 , 永江 宣明1) , 鷲尾 正彦

(1989年3月13日受付)

I.内容要旨
57歳女性で急激な経過で閉塞性黄疸を呈した,良性,非寄生虫性の多発性肝腎嚢胞症の1例を報告する.症例は総ビリルビン26.0mg/dl,直接ビリルビン20.1mg/dlの閉塞性黄疸を呈し,左葉切除を含む嚢胞切除と開窓術により肝機能は正常に復し,術後16ヵ月の現在臨床症状及び検査所見上異常を認めない.比較的緩徐な臨床経過をとる本症のなかで,急速な閉塞性黄疸の進行を来し,しかも外科治療によって軽快した症例はこれまでに内外に19例の報告を見るのみである.本症の手術適応と治療方針に若干の考察を加えて報告した.

キーワード
多発性肝腎囊胞症, 肝囊胞, 閉塞性黄疸


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