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日外会誌. 91(2): 283-286, 1990


症例報告

転移巣出現の度に4度にわたり反復再切除を施行し5年以上生存した空腸平滑筋肉腫の1例
ー本症に於ける術前動脈造影の重要性についてー

滋賀県蒲生町病院 外科
*) 現 京都府立医科大学小児疾患研究施設 外科
**) 京都府立医科大学 第1外科
***) 国立福知山病院院長 

下竹 孝志*) , 鈴木 源一 , 奥隅 淳一**) , 千森 美郎**) , 横田 隆**) , 藤田 佳宏***) , 高橋 俊雄**)

(1989年3月20日受付)

I.内容要旨
転移を伴った空腸原発平滑筋肉腫症例に対し反復切除術を施行し5年生存を得ているので報告した.症例は37歳男性で,昭和58年11月原発巣及び肝右葉の転移巣に対し切除術を施行し,以後2回の肝転移再発,1回のS状結腸間膜播種性転移再発が診断され再切除術を施行した.4回目の手術の10ヵ月後に多発性の肝転移再発が診断され再切除不能となったが初回手術の5年3ヵ月後の現在,外来通院にて通常の日常生活を営んでいる.各病巣の術前検索に於て動脈造影所見はその局在部位,切除可能性及び術式選択の検討に有用であった.本症に於ける再発形式の多様性や豊富な腫瘍血管新生等より考えて,術前動脈造影所見による病巣部の血流状態の考察が重要であると考えられた.

キーワード
消化管平滑筋肉腫, 血管造影


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