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日外会誌. 90(3): 450-453, 1989


症例報告

慢性白血病患者における開心術の 1経験

東北大学 医学部胸部外科

関野 美仁 , 鈴木 康之 , 佐藤 尚 , 貞弘 光章 , 毛利 平

(1988年4月25日受付)

I.内容要旨
慢性白血病を合併した連合弁膜症患者に対し,開心術を施行し良好な結果を得たので報告する.症例は66歳の女性で,30歳頃から心疾患を指摘され,64歳時,脳血栓症を併発し,その後心不全増悪にて当科紹介となった.精査にて僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症,左房内血栓,三尖弁閉鎖不全症と判明し,また同時に白血球増多を認め,慢性好中球性白血病(CNL)と診断された.慢性腎不全,肝障害,拘束性換気障害など他臓器障害も合併しており,当初白血病の治療を優先したが,その後の左房内血栓由来と思われる脳血栓症の頻発,化学療法による血液所見の改善などより,手術適応とした.手術は通常の体外循環下に,左房内血栓除去,僧帽弁置換術,三尖弁輪形成術が施行され,術前懸念された出血傾向・感染・急性転化などの発生をみず,退院に至った.

キーワード
慢性好中球性白血病, 開心術

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