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日外会誌. 89(10): 1647-1654, 1988


原著

経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)瘻孔の形成に関する実験的研究

名古屋大学 医学部第1外科学教室 (主任:塩野谷恵彦教授)

長谷川 洋 , 岡本 勝司 , 二村 雄次

(昭和62年10月13日受付)

I.内容要旨
経皮経肝胆道ドレナージ後の肝内外のドレナージ瘻孔の形成過程とそれに影響を与えるカテーテルの材質などの因子につき実験的に検討を行つた.材質は塩化ビニール,シリコーン,ポリウレタン,ポリエチレンの4種類を比較した.瘻孔の形成は2週後に始まり4週でほぼ完成した.この過程は塩化ビニールで最も著明であり瘻孔壁は厚く膠原線維も密に規則正しく配列していたが,ほかの材質では薄く疎で幼若であつた.しかし,塩化ビニールは周辺肝組織への影響も強く,4週後にも肝内瘻孔周辺の肝細胞の変性像が見られた.また,肝外胆管狭窄が存在すると正常時よりも瘻孔の形成は早期から著明となる傾向が認められた.ドレナージ瘻孔の形成を目的とした場合は,塩化ビニールが最も適切な材質と考えられた.

キーワード
経皮経肝胆道ドレナージ (PTCD), 高分子材量, 組織反応

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