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日外会誌. 89(8): 1175-1180, 1988


原著

DNA PIoidy Pattern, 増殖活性からみた胃癌の悪性度

金沢大学 医学部第2外科

米村 豊 , 杉山 和夫 , 鎌田 徹 , 藤村 隆 , 山口 明夫 , 三輪 晃一 , 宮崎 逸夫

(昭和62年8月26日受付)

I.内容要旨
129例の胃癌原発巣のDNA ploidy patternおよびbromodeoxyuridine(BrdU)標識法を用い増殖活性を検索した.129例中49例がdiploidで80例がaneuploidであつた.aneuploidでは進行癌が多く,静脈侵襲・リンパ節転移がdiploidにくらべ高率にみられた.5年以上経過例で予後をみるとstage I・IIでdiploid(n=23),aneuploid(n=22)の5生率はそれぞれ87%,73%と有意にaneuploidが不良であつた.またBrdU labeling index(n=42)は2.8%~26.7%でリンパ節転移例や進行癌ではリンパ節転移陰性例・早期胃癌にくらべ有意な高値を示した.またBrdU labeling indexはdiploid(n=10)で5.6±2.4%,aneuploid(n=32)で12.3±5.6%とaneuploidで有意に高値を示した.
以上よりDNA ploidy patternとBrdU labeling indexは胃癌の悪性度を規定する一指標になると考えられた.

キーワード
胃癌, DNA ploidy pattern, 胃癌増殖活性, 胃癌悪性度


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