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日外会誌. 89(7): 1142-1145, 1988


症例報告

左鎖骨下動脈瘤に合併した腹部大動脈瘤の1治験例

島根医科大学 第1外科

長見 晴彦 , 岡田 圭司 , 原田 俊郎 , 山内 正信 , 中山 健吾 , 山田 公弥 , 中瀬 明

(昭和62年5月1日受付)

I.内容要旨
症例は62歳男性で,約2年前に左鎖骨下動脈瘤の診断にて,動脈瘤結紮縫縮術及び,右腋窩→左腋窩バイパス術を施行し,順調に経過していたが,今回,腹部に拍動性腫瘤を触知し,精査の結果,腹部大動脈瘤と診断し,Y字型人工血管置換術を施行した.
高齢化の進む現代社会において,動脈瘤も含め,動脈硬化性疾患は増加傾向にある.今回,我々は左鎖骨下動脈瘤と腹部大動脈瘤の合併例を経験したが,今後,我々の症例の様な多発性動脈瘤の症例も増加していくものと思われる.ところで鎖骨下動脈瘤の本邦報告例は自験例も含め50例にすぎない.そこで,鎮骨下動脈瘤の診断.治療につき,また多発性動脈瘤についても同様な観点から文献的考察を加えて報告する.

キーワード
鎖骨下動脈瘤, 腹部大動脈瘤, 動脈硬化


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