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日外会誌. 89(6): 962-966, 1988


症例報告

胸骨を侵蝕した仮性上行大動脈瘤手術の工夫

名古屋大学 医学部胸部外科

竹内 栄二 , 村瀬 允也 , 田中 稔 , 前田 正信 , 安田 公 , 阿部 稔雄

(昭和62年4月8日受付)

I.内容要旨
胸骨上にまで突出し,胸骨を侵蝕した胸部大動脈瘤を手術する場合,瘤への到達方法,補助手段が問題となる.この症例では,あらかじめ胸骨侵蝕部の下方に胸骨縦切開,上方は両側第1,第2助軟骨,両鎖骨の中央で離断しておき,心膜をひらきF-Fバイパス,脳分離対外循環を行い,肺動脈ペント,心筋保護回路も設定して急速冷却し,心室細動となつた時間で,胸骨上半分を上方に翻転して,大動脈瘤の手術を安全に行つた.

キーワード
仮性上行動脈瘤, 胸骨破壊, 開胸方法


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