[書誌情報] [全文PDF] (2295KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 89(6): 952-956, 1988


原著

ネフローゼ症候群に合併した腎静脈血栓症の治療

昭和大学 医学部外科
*) 昭和大学藤が丘病院 心臓血管外科

舟波 誠 , 高場 利博 , 田中 弘之 , 村上 厚文 , 門倉 光隆 , 堀 豪ー*) , 石井 淳一

(昭和62年6月27日受付)

I.内容要旨
ネフローゼ症候群に合併した腎静脈血栓症2症例に対し,緊急手術を行った. 1症例は29歳の女性で発症は左側腹部痛,血尿,発熱をともなったショック前状態の急性例であり,他症例は41歳の男性で術前より下大静脈血栓症と肺塞栓を同時に合併しており,いずれも緊急手術例と判断し血栓除去術を主体に行った.
本症に対する緊急外科的治療は腎機能の維持及び重篤な合併症の阻止を目的とし,手術適応を明確にすることにより良好な結果が得られると考えられ,抗凝固療法を中心とする内科的治療とともに有用と考えられた.本症例に対する外科的治療に関する検討は少なく,今回文献的考察も加え報告した.

キーワード
Renal vein thrombosis, Thrombectomy, Nephrotic syndrome


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。