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日外会誌. 89(2): 297-301, 1988


症例報告

水腎症,urinoma を合併した腹部大動脈―腸骨動脈瘤の1治験例
―経皮的腎痩造設術,尿管拡張術を併用した治療について―

筑波メディカルセンター病院 外科
*) 筑波メディカルセンター病院 放射線科

福田 幾夫 , 軸屋 智昭 , 松下 昌之助 , 倉本 憲明*)

(昭和62年1月26日受付)

I.内容要旨
腹部大動脈一腸骨動脈瘤に起因する右水腎症,右urinomaの症例を経験したので報告する.患者は71歳女性で右下腹部痛を主訴に来院した.上記診断でエコーガイド下に経皮的腎痩造設術を行ない,完全にurinomaを消退させたのち動脈瘤の人工血管置換術および尿管剥離術をおこなった.術後第35病日に腎痩カテーテルを通して尿管拡張術を行ない,術後3ヵ月目に腎痩カテーテルを抜去した.
水腎症,urinomaは腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤の稀な合併症であるが,これに対しては経皮的腎痩造設術を組みあわせた治療が有用と思われた.

キーワード
腹部大動脈一腸骨動脈瘤, urinoma, 経皮的腎痩造設術

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