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日外会誌. 89(2): 256-264, 1988


原著

二剤併用による in vitro 抗癌剤感受性試験に関する研究
―ヒト肺小細胞癌を用いた clonogenic assay―

慶応義塾大学 医学部外科学教室(指導:阿部令彦教授)

稲田 高男

(昭和62年3月13日受付)

I.内容要旨
ヒト肺小細胞癌培養株4株(H-69, H-128, Lu-24, Lu-134)を用いて, 2剤併用によるclonogenic assayをおこないin vitro抗癌剤感受性試験における併用効果判定の意義について検討した.単剤による効果を薬剤別にみると, 4-hydroperoxy cyclophosphamide (CPA)が最も抗腫瘍性が高く,tetrahydropyranyl adriamycin (THP), aclarubicin (ACR), adriamycin (ADM), mitomycin C(MMC)がこれに続いた. 2剤併用の抗癌剤感受性試験は,原則的に各薬剤の1/2cut off濃度の混合液中で同時接触をおこない,併用効果はBerenbaumの方法により判定した.単剤で効果の認められた薬剤間の組合せの一部において相乗効果が認められ,併用効果の発現には,各薬剤が単独で有効であることが必要条件ではあるが,十分条件ではないことが示された.多剤併用clonogenic assayは薬剤併用による抗腫瘍効果の予測に有用な方法であると考えられた.

キーワード
二剤併用化学療法, 抗癌剤感受性, ヒト肺小細胞癌, clonogenic assay


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