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日外会誌. 88(12): 1749-1752, 1987


症例報告

整形外科手術に起因する下腿動静脈痩の1治験例

鳥取大学 医学部第2外科

伊藤 勝朗 , 佐々木 成一郎 , 浜崎 尚文 , 応儀 成二 , 田中 孝一 , 原 宏 , 森 透

(昭和61年12月11日受付)

I.内容要旨
整形外科手術に起因する下腿動静脈瘻を経験したので報告する.症例は60歳の主婦で,3年前に左変形性膝関節症の診断下に腓骨離断矯正術を受けた.術直後から生じた下肢腫脹は消褪せず,疼痛もあつて深部静脈血栓症後遺症として2年余に亙つて加療されていたが,大伏在静脈のスリルに気付いたのを契機に下腿動静脈瘻も同時併存していることが判明した.側方ならびに内方到達法の組み合わせにより腓骨動脈と後脛骨動脈起始部の動静脈瘻を二期的に処理することが出来た.下腿動静脈瘻については類似発症機転による報告は最近の10年間では見当たらなかつた.腓骨動脈領域の罹患では側方到達法で手術するのが唯一最善の選択となる.

キーワード
下腿動静脈瘻, 医原性血管損傷, 整形外科手術

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