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書誌情報]
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日外会誌. 88(10): 1444-1451, 1987
原著
胃切除後のquality of life
I.内容要旨教室における1972年から1983年までの胃切除症例を対象にして,アンケート型式で術後のqualityof lifeの調査を行なつた.解析方法は社会復帰状況を予後の最後評価と考え,これに影響を及ぼす因子を背景要因,治療要因,具体的予後要因に分けてその特徴をKruskal-Wallis検定及びDunnの多重比較検定にて検討した.又,各要因中の相互の連関をみる目的でカテゴリカル主成分分析を行なつて先の結果と比較検討を行なつた.
結果は,背景要因が社会復帰に大きく影響を及ぼしており,良性疾患が良く,手術時年齢が61歳以上で悪く,体重が50kg以下で悪く,術後経年数が長い方が良いという結果が得られた.したがつて治療要因を調べるうえで背景要因の統一が不可欠と思われた.
また治療要因との関係では,根治性が可能であれば切除範囲を少なくすること,胃全摘後の再建術式では十二指腸を食物が通過する術式が望ましいことが示唆された.
予後要因との関係では,術後follow upをしていくうえで下痢のcontrolの重要性が示唆された.
キーワード
胃切除術, quality of life, 社会復帰
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