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日外会誌. 88(6): 785-789, 1987


症例報告

頸動脈体腫瘍の1手術治験例
―本邦報告84症例の検討―

大阪大学 医学部第1外科

角村 純一 , 中尾 量保 , 宮田 正彦 , 小武内 優 , 津森 孝生 , 広瀬 一 , 川島 康生

(昭和61年7月28日受付)

I.内容要旨
頸動脈合併切除および血行再建を伴う頸動脈体腫瘍の摘出術に際し,一時的バイパス法を施行し良好な結果を得たので報告する. 
自験症例は63歳男性.頸動脈体腫瘍は径5×6cm大で頸動脈と強固に癒合していたため,この部分の動脈を合併切除した.この際,総頸動脈一内頸動脈間に一時的バイパス回路を作成して脳血流の維持をはかつた.頸動脈欠損部は遊離大伏在静脈片にて血行再建を行なつた.術後脳障害の発生は認めていない.本症例のような一時的バイパス回路の併用は,文献上検索しえた限りでは,本邦では2例目に当ると思われる.特に外シャント併用術としては最初の報告と思われる.

キーワード
頸動脈体腫瘍, 術中バイパス, 血行再建術

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