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書誌情報]
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日外会誌. 88(5): 607-612, 1987
原著
ファロー四徴症根治手術成績に関与する諸因子の検討 : ステップワイズ回帰分析による術前因子の検討
I.内容要旨1977年11月から1985年6月までに教室で施行したファロー四徴症根治手術症例のうち,手術時年齢10歳以下ですべての因子の計測が可能であつた51例を対象とした.検討した因子(説明変数)は,手術時年齢(Age:year),性(Sex),根治術前のSHUNT手術の有無(Shunt),右室流出路パッチの有無および程度(Patch),肺動脈indexとして左右肺動脈の平均断面積と正常右肺動脈断面積との比(PAarea/N-rPAarea),左右肺動脈の平均断面積と体表面積との比(PAarea/BSA),左右肺動脈の第1分岐直前の内径の和を下行大動脈の横隔膜上の径で除した値((r+1)PA/Ao),右肺動脈の第1分岐直前の内径を下行大動脈の横隔膜上の径で除した値(rPA/Ao),術前の左房最大容積係数(LA/BSA),左室拡張末期容積係数(LVEDVI),LVEDVを正常予測値で除した値(LVEDV/N-LVEDV)),心内修復後閉胸前の右室左室収縮期圧比(RV/LV),術前ヘモグロビン値(Hb),手術時体表面積(BSA),手術時体重(Weight)の15因子である.単変量解析では,RV/LVとLA/BSAのみが手術危険因子として求められた.ステップワイズ回帰分析にて多変量解析を行うと,手術成績はPatch,Shunt,Sex(R=0.421,R2=0.177,F=3.37)の3変量モデルとして求められた.また予測術後右室左室圧比はWeight,Shunt,BSA,Patch,Sex(R=0.602,R2=0.363,F=0.512)の5変量モデルとして求められた.しかし今回検討した術前因子だけによる回帰式の決定係数が低くて,手術死亡および術後右室左室収縮期圧比を十分には説明できず,術中の心筋保護,術後管理など,術中術後因子の影響の大きさが示唆された.
キーワード
ファロー四徴症, 多変量解析, 回帰分析, 右室左室圧比, 左房容積
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