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日外会誌. 88(1): 119-122, 1987


症例報告

乳腺原発 Malignant Fibrous Histiocytoma

石川県立中央病院 外科

牛島 聡 , 皆川 真樹 , 清原 薫 , 金 定基 , 北川 晋 , 中川 正昭 , 瀬川 安雄

(昭和61年1月17日受付)

I.内容要旨
Maligllantfibrous histiocytoma(以下MFH)は成人の軟部悪性腫瘍としては最も頻度の高いものであるが,乳腺に発生することは希である.乳腺原発MFHは本邦ではこれまでに7例の報告がある.今回われわれは乳腺原発MFHの1例を経験したので報告した.患者は39歳女性で右乳腺の有痛性腫瘤を主訴として当院を受診した.試験切除した腫瘤は黄白色で軟らかく辺縁不明瞭であつた.組織学的には紡錐形の腫瘍細胞が典型的storiform patternを示し,乳腺に発生したMFHと診断された.1週間後,根治的乳房切断術(Br+Mj+Ax)を施行した.腫瘍細胞は脂肪組織へ浸潤していたが胸筋への浸潤,腋窩リンパ節転移は無かつた.術後,アドリアシンによる補助化学療法を行つた.患者は術後11ヵ月を経た現在,再発の徴候も無く健在である.

キーワード
malignant fibrous histiocytoma, 非上皮性乳腺腫瘍


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