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日外会誌. 87(12): 1569-1575, 1986


症例報告

家族内発生を示した慢性特発性偽性腸閉塞症の経験と本邦報告例の検討

川崎医科大学 救急医学

木戸 訓一 , 藤井 千穂 , 徳田 剛爾 , 仁科 雅良 , 高須 伸克 , 大塚 薫 , 小浜 啓次

(昭和61年3月6日受付)

I.内容要旨
慢性特発性偽性腸閉塞症(CIIP)は,原因不明の機械的イレウス症状を繰り返す疾患でMaldonadoらによつて命名されたものである.CIIPにはいくつかの臨床的特徴があるが,そのひとつは家族内発生を示すものが存在し,遺伝性を有する可能性があることである.
著者らはCIIPの本邦報告例を集計したが,1984年までに21例をかぞえた.この中で家族内発生を示したのは自験例以外では1組(同胞発生例)のみであつた.自験例は父・娘という発生形式を示したが,CIIPの遺伝性を考える上で興味ある症例と思われた.

キーワード
慢性特発性偽性腸閉塞症, CIIP, 家族内発生

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