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日外会誌. 87(12): 1559-1563, 1986


原著

選択的中肝静脈造影法の臨床的意義

名古屋大学 医学部第1外科

神谷 順一 , 二村 雄次 , 早川 直和 , 長谷川 洋 , 近藤 哲 , 塩野谷 恵彦

(昭和61年4月7日受付)

I.内容要旨
Jの先端部を反時計方向に約45°ひねつた血管造影用カテーテルを使用して肝切除術が予想される86例に選択的中肝静脈造影を試み,65例(76%)に中肝静脈造影像を得ることができた.中肝静脈造影像が得られた65例中27例(42%)に異常所見が認められたが,これらは他の画像診断法では診断困難であつた.中肝静脈造影像は,各症例の肝の解剖を手術前に把握する上で非常に有用であつた.また異常所見の多くは手術術式に関与するものであり,この点からも選択的中肝静脈造影の臨床的意義が認められた.
なお前胸壁から右肝内胆管へ経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)が施行された症例の33%において中肝静脈にカテーテル挿入による異常所見が認められたが,PTCDによる合併症は生じていなかつた.

キーワード
選択的中肝静脈造影, 肝切除術, 経皮経肝胆道ドレナージ, 中肝静脈損傷

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