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日外会誌. 87(11): 1480-1484, 1986


症例報告

根治術施行直後に,空置右側結腸に再燃をきたした左結腸型潰瘍性大腸炎の1例

山口大学 医学部第2外科

根木 逸郎 , 内山 哲史 , 清水 良一 , 工藤 明敏 , 古谷 卓三 , 品川 裕治

(昭和61年1月27日受付)

I.内容要旨
われわれは今回,25歳,女性の左結腸型潰瘍性大腸炎症例に対して腹仙骨合併術式にて,亜全結腸切除,上行結腸肛門吻合を施行し,diverting loop ileostomyを作成したところ,術直後より肛門出血が続き,内視鏡検査で空置した残存結腸全体に再燃を認めた.病変部である左側結腸を根治的に切除した直後に,発病以来8年間病変から免れていた盲腸,上行結腸に再燃をきたしたものであり本疾患の難治性の特色を示すものであつた.再び腹仙骨術式にて残存結腸を全摘し回腸肛門吻合をおこなつたが,術後肛門機能は良好であつた.

キーワード
潰瘍性大腸炎の術後再燃, 腹仙骨合併大腸全摘, 回腸肛門吻合術

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