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日外会誌. 87(10): 1359-1363, 1986


症例報告

Ewing 肉腫による転移性乳腺腫瘍の1例

東京女子医科大学第二病院 外科
*) 東京女子医科大学病院 病理

今村 洋 , 芳賀 駿介 , 榊原 宣 , 平山 章*)

(昭和61年2月3日受付)

I.内容要旨
症例は両側乳房および右鎖骨上窩腫瘤を主訴とした14歳の女性.乳腺X線検査,乳腺超音波検査では悪性腫瘍の所見に乏しく,鼡径部にも同様な性状の腫瘤を触知した.骨盤CT検査で骨盤腔内に原発巣と思われる腫瘤を認めた.乳腺腫瘤の病理学的検索では円形細胞腫瘍に属する悪性腫瘍で,ジアスターゼで消化されるPAS染色陽性の顆粒を認め,Ewing肉腫が疑われた.8種の酵素抗体法を行ったが,すべて陰性であつた.
以上より,骨盤腔内原発のいわゆる骨外性Ewing肉腫の両側乳房,右鎖骨上窩および鼡径部への転移と診断した.
CYVADIC療法を行い,原発巣,転移巣とも著明な縮小傾向を示した.本邦では,骨外性Ewing肉腫の報告は少なく,転移性乳腺腫瘍として発見されたものは,自験例が初めてであると思われる.

キーワード
転移性乳腺腫瘍, 骨外性 Ewing 肉腫

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