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日外会誌. 87(8): 921-925, 1986


症例報告

Dacron 製人工血管穿孔による仮性動脈瘤の1例

*) 国立療養所東京病院 外科
**) 国立療養所中野病院 循環器科

中島 淳*) , 池上 武彦*) , 石原 尚*) , 村上 国男*) , 森本 和大**)

(昭和60年10月30日受付)

I.内容要旨
症例は71歳男性で,6年8ヵ月前閉塞性動脈硬化症による左総腸骨動脈完全閉塞の為に,double velour Dacron graft(Cooley)を用いた右外腸骨動脈一左浅大腿動脈間cross-over bypass術を受けた.今回左鼡径部の拍動性腫瘤に対し手術を施行したところ遠位吻合部の吻合部動脈瘤に加え,graft自体の穿孔による仮性動脈瘤形成を認めた.
かかる例は比較的稀で,Dacron製人工血管の穿孔によつて仮性動脈瘤を形成した症例は文献的には米国で23症例を数えるだけで,本邦では同様の報告は1例のみである.よつて本症例を報告するとともに,若干の文献考察を加えた.

キーワード
double velour Dacron graft の穿孔, 人工血管の晩期合併症

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